これが最終形か? EWI-SOLO

EWI-SOLO
2020年秋、誰も予想していなかったEWIの最新バージョン「EWI-SOLO」というものが登場しました。
鳴り物入りで登場したEWI5000がパッとしなかっただけに、それより安価で「入門用」という位置づけらしいこの製品に、EWIプレイヤーたちはあまり期待していませんでしたが、5000よりも「ちゃんとした」楽器になっていました。
発売後たちまち売り切れてしまい、再入荷が始まったのは2021年5月という人気も頷けます。初めてEWIを手にする人はもちろん、すでに5000や4000Sを持っている中級者以上にもお勧めできます。

アンプにつながなくても音が出る

EWI5000の発表後、ローランドからはエアロフォンというスピーカー内蔵のウィンドシンセサイザーが発表されました。アンプにつながずに音が出せるウィンドシンセサイザーはカシオのデジタルホーン以来ではないかと思いますが、さすがに内蔵スピーカーからの音はあまりにもショボく、キー操作もEWIに慣れていた私には馴染めず、すぐに売ってしまいました。
EWI-SOLOのSOLOはソロ楽器という意味ではなく、単体で音が出せますよ、ということでしょう。
確かにこれはありがたいことで、練習する気力を振り絞るのに今までの半分以下でいけます。
内蔵スピーカーからの音は、音量が小さいことに不満が噴出していますが、練習の際にアンプを用意しなくてもいいというのは、精神的に大きな違いです。夜間の練習などでは所詮大きな音は出せませんし。内蔵スピーカーからの音で他の楽器とセッションするというのは無理に決まっていますから。
音量が小さくても、エアロフォンのような玩具っぽい音ではなく、それなりにまとまっています。超低音でも音が割れたりすることがなく、音源によっては腹に響くような低音でも音割れしません。それを考えると、内蔵スピーカーでの音量はこれが限界なのでしょう。
録音やステージでは当然、ライン出力で出しますが、この音質も5000よりはマトモです。しかし、4000Sの太い音質と比べると5000に近い音質なので、エネルギー感や「EWIらしさ」は4000Sに負けます。ほとんどのプロがステージでは5000ではなく4000Sを使っているのも当然なのです。

サイズがでかい(長い)のが玉に傷ですが、重さは5000よりも軽いので、決定的な苦にはならないと思います。見た目が木管楽器っぽくなったこととも相まって、生楽器とのアンサンブルでも違和感のない絵になります。

価格が安くなったのもありがたいことで、これで売れないはずがない、という、よくできた製品です。
欲を言えば、音色数200はまったくナンセンスで、もっと1つ1つの音のブラッシュアップをしてほしかったし、高級な音源を外からソフトとしてインストールできるようになっていればよかったんですが……。
開発者の中に音楽が分かっていない上司がいるのかな、と思ってしまいます。実際、200の中で、使える音はごくわずかです。音色の数を増やせば受けるだろうという発想はもうやめてほしいものです。プロレベルの楽器として、もっと気概を持った設計を、と思うのは私だけではないでしょう。
その点では、製造終了して時間が経ち、程度のいい中古も入手が難しくなってきた4000Sや4000SWの価値がますます上がったかな、とも思います。

ともあれ、現在のところ、これがEWIのベストバイ製品です。初期設定などについての解説は⇒次のページで。
EWI-solo


全長が77cmもあるEWI-SOLOを収納・運搬するケース選びはちょっと悩むところがありますが、三脚などを運搬するケースを利用するといいでしょう。Amazonで購入で2000円くらいから



上からEWI-SOLO、EWI4000S、EWI5000とケースいろいろ。真ん中のケースは三脚などを入れる多目的ケースで、Amazonで購入Amazonで1780円だった。80cmサイズを選ぶこと。EWI-SOLOに長さはピッタリだった。

EWI5000とEWI-SOLOは長さがこれだけ違う。後ろに見えているのは外部スピーカーとしてお勧めのJBL'Charge'。小さいながらパワフルな音が出る。スマホからカラオケをBluetoothで飛ばして、EWIはイアフォンジャックからのLineでつなげば、アンサンブル演奏もできる。
↑JBLのCharge4。Amazonで購入で10000円前後

↑EWI-SOLO、EWI5000、EWI4000Sの音色の違い





Amazonで購入でも発売中。

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