2026年2月、中国の新興メーカーROBKOOからClarii miniとClarii Pro C20というEWIのコピーモデルともいうべきウィンドシンセサイザーが発売されました。
Clarii mini
Clarii miniは非常に小さいのが最大の売りですが、アンプとスピーカーが内蔵されており、そのサイズからは想像できないほどの音量が出せます。
しかし、小さいことが仇となって、演奏のしやすさはむしろEWI SOLO やClarii Pro C20のほうが上です。
EWIやClarii Pro C20はオクターブ切り替えを裏側のローラーキーで行いますが、Clarii miniはこれをボタンで行うため、瞬時のオクターブ移動でミスをしやすかったりもします。
低いBの音を出すのに、EWIでは右の小指を2つの爪の間に置いて同時に触ればよかったのが、Clarii miniでは左手小指で横の半音フラットボタンを同時押しする必要がある……などなども合わせ、EWIやClarii Pro C20よりも演奏が難しい面があります。
最初からClarii miniだけを演奏するのなら、慣れればいいだけなので、手の小さい子供が始める楽器としては最適ですが、この演奏方法の若干の違いという点では、EWIシリーズやClarii Pro C20とは別系統だととらえたほうがいいかもしれません。
私としては、初心者が購入する1台目をClarii miniとEWI SOLO で迷っているなら、EWI SOLO を薦めます。ただし、EWI SOLO とClarii miniでは大きさがまるで違います。
Clarii miniは価格帯としてはEWI SOLO と競合する。
小さいことは魅力だが、表現力の豊かさ、音域の広さ、演奏のしやすさではEWI SOLO に軍配が上がる。
Clarii Pro C20
Clarii Pro C20もアンプとスピーカーを本体に内蔵しており、本体だけで音が出せる点はEWI SOLO やClarii miniと同じですが、音量はEWI SOLO やClarii miniの軽く倍はあり、生ピアノの横で共演してもひけを取りません。外部アンプに接続しなくてもこれだけの音が出せることに驚かされます。
音質はEWI SOLO よりも生楽器に近づけたようなクリアでリアルなサウンドで、好き嫌いはあるかと思いますが、これまた多くのウィンドシンセサイザーファンを虜にしました。
ただ、価格が高く、日本では12万6500円(2026年10月現在)と、EWI SOLO(同・4万9500円)やClarii mini(同・49500円) の倍以上します。
この価格が負担にならないというかたには、1台目のウィンドシンセサイザーとしてClarii Pro C20を薦めます。
大きさはEWI SOLO より小さいのに音は大きく、アンプなしでもピアノなどとのセッションが難なくできるというのは大きな利点です。
EWI4000S
EWI4000Sはだいぶ前に製造終了していて、今では新品を入手することはできません。それでも、EWI独特の音や表現力の幅には大きな魅力があるため、プロ演奏家の間では今でも高評価を持ち続けています。
しかし、単体では音が出せないので、外部のアンプにつなぐことが必須です。
電源が単三電池4本なので、EWI SOLO やClarii Pro C20に比べると演奏中の電池切れ不安に常につきまとわれますし、重量がかなりあるのも弱点です。
中古を探せば入手は不可能ではありませんが、EWI SOLO やClarii Pro C20が普通に購入できる今、1台目としてこれにこだわることはまったくありません。
↑↓大きさ比較。上からEWI SOLO 、EWI4000S、Clarii Pro C20
↑EWI SOLO、EWI5000、EWI4000Sの音色の違い
Comparing performances on the EWI4000S, EWI SOLO, and Clarii Pro C20—all three instruments—using the same song and under the same conditions.
ROBKOOのClarii Pro C20が登場したことで、EWIの世界も刷新されました。
私は今では、日常の練習はほとんどClarii Pro C20でやっています。人前で演奏をするとしても、EWI4000Sにはまだ魅力を感じていますが、アンプにつながなければ音が出ないEWI4000Sより、単体で十分な音量が出せるClarii Pro C20を使うことが増えるでしょう。
お金に余裕があるかたには、最初からClarii Pro C20を購入することをお勧めします。