AKAI professionalブランドで作られているEWI(イーウィ)や、ROBKOOという中国企業が作っているClarii Pro C2 というウィンドシンセサイザーの魅力と可能性について、私(作曲家・Jin Soda)が知っていることを書いています。
子供のとき、笛(リコーダー)がうまいと誉められた
サックスやフルート、チェロ、バイオリンなどのソロ楽器 (単音でアンサンブルの主役になる楽器)に憧れていた が、諦めたまま歳を取ってしまった
歳を取ってしまった今からでも始められる楽器 を探しているが、きつい練習が必要なものは無理だ
住宅事情 などを考えると、でかい音が出る楽器や、楽器そのものがでかいというのも無理だ
ギターもキーボードも挫折した経験があるが、「笛」くらいなら吹けそうな気がする
……こんなかたにぜひ知ってほしい楽器がウィンドシンセサイザーという楽器です。
私は57歳6か月でこの楽器(EWI4000S)を初めて手にして、1か月後にはバリバリの現役ジャズメンとセッションをするという無謀なことをしていました。
EWI4000Sはだいぶ前に製造終了し、現在では新品を入手することはできませんが、後継機種の
EWI SOLO (およそ5万円)や、中国企業が作っている
Clarii Pro C20 (2026年現在、12万6500円)というウィンドシンセサイザーは新品で入手できます。
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↑EWI SOLO 。屋外でもこのくらいの音で楽しめます
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↑このヴァイオリンとチェロはEWIで演奏しています
過去に、サックスはもちろんのこと、EWIと同じウィンドシンセサイザーであるYAMAHAのWX5にさえ数日で挫折しています。カシオのデジタルホーンも少しやってみたことがありますが、電池が液漏れして壊れてからはゴミになってしまいました(製造も中止されたし、そもそも玩具みたいで人前で吹くにはかっこ悪すぎたし……)。
そんな私が、EWIだけは今も(このサイトを立ち上げたのは2013年1月2日。まだ始めて3ヶ月でした)続いていて、おそらく死ぬまでこの楽器とつき合うだろうと予感しています。
初めてウィンドシンセサイザーを試してみようというかたにはEWI SOLO をお勧めします。
EWI-SOLO(2020年秋に登場)は、
音源が内蔵されているので、外部音源につなぐ必要がない
電池駆動なので、電源コードもいらない
本体にスピーカーがついているので、本体のみで演奏できる
ヘッドフォン端子も付いているので、外部に音を出さずとも練習できる
音量をいくらでも絞れるので、周囲に迷惑をかけずに吹ける。夜中でも吹けるし、テレビを見ながらでも練習できる
ブレスセンサーが極めて高感度かつ安定しているので、デジタル楽器であることを忘れてしまうほど一体感を得られ、演奏にのめり込める
他のウィンドシンセサイザーに比べて音がよく、吹いていて気持ちがよい
EWIを知る人たちにはTスクエアのイメージが浸透してしまっていて、「派手な楽器」と思われているが、実はメロウな表現やバラードも得意な楽器
ちょっとした工夫と慣れで、デジタル臭さが抜け、吹奏楽器特有の「空気感」が表現できる
音階ボタンがタッチセンサー(ペコペコ動かない固定されたボタン)なので、指使いが楽
……という特徴を備えています。
ぜひ、論より証拠で実物を手にしてみてください。一気に世界が広がるかもしれません。
「もしかしたらできるかも?」と思ったら、ガバッと決断して購入し、サクッと気軽に練習を始めましょう。
一方で、EWI SOLO の前に発表され、今も新品で入手できるEWI5000や、中国企業ROBKOOのClarii miniはお勧めしません。
EWI5000は内蔵スピーカーがないのでアンプにつながないと音が出ません。内蔵音源の音質もデジタル臭く、さらには動作が安定しない傾向があります。
ROBKOOのClarii miniは、小さいのに結構な音量で吹けるのでパッと見、よさそうに思えますが、実際に吹いてみると小さくてキーが少ないがゆえに演奏が高級機のClarii Pro C20 より難しかったりします。就学前のお子さんに買い与えるにはいいと思いますが、大人が初めてのウィンドシンセサイザーとして触れるのはお勧めしません。
初めてのウィンドシンセサイザーとして選ぶなら、
EWI SOLO :値段が手頃(2026年10月現在、4万9800円 税込) 木管楽器のような感触でゆったりした演奏が得意
Clarii Pro C20 :音が大きくてクリア。実際の木管・金管楽器に近い、かなりリアルな音質。お高い(2026年10月現在、12万6500円)けれど、この金額が出せる人なら所有して後悔しないはず)
のいずれかをお勧めします。
↑ROBKOOのClarii Pro C20 (12万6500円)
以下、私が、初めてEWIを手にしたときの戸惑いや疑問にどう対応していったか、記録していきます。
EWIのソロ練習に最適なiRealProというソフト
スマホやタブレットに入れてあらゆる曲の伴奏を再生。テレビに大きくコード譜を映し出し、好きなスタイルで伴奏してもらえる超お勧め環境とは?
こちら
本体にスピーカーが内蔵されているというのがエアロフォン最大の売りだと思うが、そのままではショボい音。サックス奏者の室内練習器? 吹奏楽器未経験者には向いているのか?
こちら
Digital Wabi-Sabi 3 -A Soul Inhabits EWI-
Digital Wabi-Sabi 2 -My Mouse Plays The Piano-
Digital Wabi-Sabi -As Easy As EWI-
とにかく手にしてみよう
EWI-SOLO
初めての人はEWI-SOLOを買ってください 。
EWI5000
EWI4000S(W)の後継機。音源は管楽器シミュレーションを中心に一新。電源は単三乾電池×4本からリチウムイオン電池に。そしてワイヤレス搭載と、望まれる新機能を満載しながら、外形はEWI4000Sと同じにしたので、EWI4000Sに慣れたプレイヤーが今まで通りの感覚で吹ける。
ただし、音色や微妙なレスポンスの違い(どっしり感や粘り感)に関しては好き嫌いが分かれそう。私自身はいじってみた末に「やはりライブでは今まで通りEWI4000Sをメインに使おう」と決めました。
EWI4000S EWI4000Sは2013年に販売終了となり、引き続きEWI4000SWが売られていましたが、いつのまにかSWも終了しました。
EWI5000やEWI-SOLOが出た今、出番がなくなったかと思われがちですが、粘り気のある太い音色は最も「EWIらしい」と思います。吹いているときの楽器との一体感や微妙なブレスコントロール、ベンド奏法における反応などもEWI5000よりアナログっぽい反応をしてくれるため、私はさんざん比較した末に、ライブではEWI5000ではなく4000Sを使うことに決めました。
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EWI4000SW
色が白いだけで、EWI4000Sと中身はほぼ同じです。
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EWI USB EWI USB は本体に音源が内蔵されておらず、コンピュータにUSB接続しないと音が出ません。しかし、付属するAriaという音源の中にあるヴァイオリン(TH)やチューバなどは非常に魅力的な音源で、「デジタル・ワビサビ」の道具としては最適と言えるでしょう。EWIを使った私のアルバム『Digital Wabi-Sabi』(このサイトで収録曲のサンプルをお聞かせしています)でも、結果的にはほとんどがAriaのヴァイオリン音源を使いました。ライブはやらず、もっぱら録音で使うことを前提にしているならこれでもいいのですが、本体はEWI4000、5000、SOLOに比べると楽器本体がややチープな作りです。その分、軽いという利点もありますが、私は右親指の第2ポジションキーが効かなくなるという不具合に複数の楽器で遭遇しており、楽器としての安定性、堅牢性にも少し疑問を抱いています。
EWI SOLO が5万円を切る値段で購入できる現在、お勧めしません。
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New Bee ギター ワイヤレス 送受信機 WJ21 エレキギター用のワイヤレス化システムですが、EWIやClarii Pro C20に使えます。非常にレスポンスがよく、ストレスを感じません。
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小型Bluetoothスピーカー
Bluetooth内蔵の小型パワードスピーカー は3000円くらいからたくさん出ています。Bluetooth受信再生ができるので、カラオケをスマホなどに入れておき、Bluetoothで再生し、本体からの音(ヘッドフォン出力端子からステレオミニプラグケーブル、あるいはワイヤレス送受信機)をライン入力でつなげば、自動的にミックスして出力してくれるのがとても便利。
屋内練習だけでなく、車などに積んでいけば、車内でも野原でも砂浜でも演奏できます。とにかく重宝するので、1台あるととても便利です。
JBL FLIP 7などJBL製品はさすがの音質・音量ですが、値段が高いので、Anker SoundCore 2などでもいいでしょう。
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私のEWI遍歴
2012年10月1日 ヤフオクで中古のEWI4000SをGET。
2012年10月1日~ 音がうまく出ない。いちばん困惑したのは裏側のオクターブローラー。とりあえず『Orca's Song』を吹けるようにしようと毎日練習。あとはブルースのアドリブフレーズなど。
2012年10月下旬 オクターブローラーに触れる左手親指の角度を変えることでうまくいくのでは? と気づく。指の腹ではなく、指の横をあてるようにしたところ、なんとなくうまくいきそうな気配。他にも毎日が発見の連続。
2012年11月3日 近所のライブハウスカフェでジャズのジャムセッションデー。始めて1か月のEWI4000Sを持参して勇敢にもセッションを試みる。
2012年11月 Gスケールではそこそこ吹けるようになった。ジム・ホールの『アランフェス』を練習台にしてほぼ毎日吹く。左手中指を抜くと、同名調に転調できると、今さらながらの発見。ベンドキーの使い方がだいぶうまくなった。
2012年12月1日 始めて2か月。2回目のジャムセッションに挑戦。前回とは違うバンドメンバーにて『アランフェス』を試みてみる。もちろん不満足ではあるが、そこそこやっていけそうな感触も掴む。
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EWI4000Sを手にしてから2か月目。なんとかセッションのまねごとができるまでになった↑
2012年12月 オリジナル曲を何曲か録音してみる。EWI4000Sならではの課題や可能性が見えてきた感じ。
2013年1月2日 多くの人たちにEWIの魅力を知ってもらうために、このサイト(http://ewifan.com/)を試験的に立ち上げてみる。
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EWI4000Sによる演奏『枯葉』↑
EWIでスタンダードナンバーを吹いてみる。アルバム『Digital Wabisabi』に収録した『枯葉』
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2020年 EWIで演奏する楽器をヴァイオリン、チェロ、フリューゲルホーン系などに集中させ、「タヌパックバーチャルバンド」というコンセプトでの音楽制作を意識し始める。
2013/01/02 start 2026/10/04 updated